FOC文庫
2017年01月29日
フィールドオブクラフト倉敷(以下FOC)の会場の片隅に、本屋ブースがあります。その名は「FOC文庫」。第7回展から登場したFOC文庫には、クラフトにまつわる書籍や絵本が、ずらりと並びます。
「普段は、どこに本屋があるんですか?」毎年、質問をいただきますが、実はどこにもありません。5月の2日間だけ倉敷に出現する、夢のような本屋です。
どんな本をご用意しよう? 1年をかけて行う選書作業の中で、担当者はいつも同じ問いに行き当たります。「クラフトって、何だろう?」 禅問答のように悩ましくも愉しい時間を経て、毎年5月を迎えます。
技法書だったり、器の本だったり、はたまた酒とクラフトの本だったり。大人の方も、小さなひとも、うれしそうに本を選んでくださる姿を見るのは、何よりうれしい瞬間です。昨年のFOCでは、FOC文庫めがけて、まっしぐらに走ってきた女の子がいました。向かった先は、『ヒツジの絵本』。「向こうのブースに、羊毛を紡いでいるひとがいますよ」 そっと教えると、ヒツジが大好きという彼女、本をかかえてうれしそうに走っていきました。
本の流通には、いろいろ難しいこともあります。多様な出版社から刊行されている本を、一堂に集めるには、プロの力をお借りしなくてはなりません。FOCでは、地元岡山にある紀伊國屋書店 クレド岡山店のご協力で、私たちが選んだ本を手配していただき、2日間会場で販売しています。
作り手のみなさんが、手とこころと時間をかけて、クラフト作品をうみ出すように、一冊の本が、クラフトへの想いや愛情を、ゆっくりと広げてくれますように。お気に入りの一冊を探しに、今年もFOC文庫へお立ち寄りください。