「FOC文庫」の本棚から~「Made by Hand」
2013年04月06日
「FOC文庫」担当の小倉です。2013年のフィールドオブクラフト倉敷には、2日間だけの本屋「FOC文庫」が出現します。「FOC文庫」の本棚から、おすすめの本をご紹介しています。本日は、人はなぜ「つくる」のか? について考える、愉快な本を。
『Made by Hand』
マーク・フラウエンフェルダー 著 金井哲夫 訳
オライリー・ジャパン 刊

フリーランスのライターだった著者。ITバブル崩壊後、人生を見直さざるを得なくなり、家族で向かったのは、南太平洋の小島。ゆっくりとした島の時間で生活すれば、スケジュールと消費に終われる日々から抜け出せる、と単純に思っていました。が、楽園に移り住んだからとて、何も変わらず。自分達自身が問題だったと気付き、再び米国に戻ることになるのですが、数か月の島暮らしで、次へのヒントを得ていました。
それは、「自分がスローダウンでき、自分の手を使い、周囲の世界と意義深い形で深く関わること」。新たな挑戦がはじまります。野菜作り、エスプレッソマシンの改造、楽器の製作、鶏小屋作りと養鶏、はたまた子どもの教育 (学校=外注に任せきりにせず、自前でやってみる) まで…。それぞれの分野の達人に教えを乞う中で、「失敗してよいのだ」 と著者は気付きます。学んだり技術を磨いたりする上で、失敗の経験こそが、問題解決のための 「心の工具」 になること。「失敗するに決まっている」 「プロに任せた方が…」 それまで及び腰だった著者の毎日は、大きく変わっていきます。
木のスプ
ーンを作った時のこと。木を削る間の心の鎮静と集中の効果は、「奇跡と呼んでもいい」 ほどだったと言います。その効果も数知れず。自分で作ってみたことで観察力が磨かれ、名工の作品のどこがすごいのかを理解できるようになったこと。出来上がりは不格好でも、次はこうしてみようと向上心が生まれたこと (買うだけの生活からは得られない!)。人に披露すると、なぜだか会話の糸口になること…。 著者の奮闘の日々が、時にクスクス笑い出してしまうほど痛快に記録された本書。読み終える頃には、きっと気付くはず。 「自分の手で何かをすることで、いちばん大きく変化するものは、自分自身である」 と。
つくる愉しみを知る人もたくさん来場する、フィールドオブクラフト倉敷。
人気の技法書の傍らに、この本も、そっと並べておこうと思います。
(こちらでご紹介する本は、当日会場内に開設される「FOC文庫」にてお買い求め頂けます)もっと見る