手仕事の風景 2014 【アクセサリー】 小原 聖子
2014年08月03日
爽やかな風になびく、大きな布一面に広がるのは、まるでアートピースのようなブローチの数々。さまざまなデザインのブローチに目を奪われ、吸い込まれるようにテントに入っていくお客さんの多いことといったら!
金属の銅と亜鉛の合金でできた真鍮(しんちゅう)でアクセサリー制作を行う小原(おばら)聖子さんのブースには〝私だけのお気に入り〟を探したくなる、心躍るアイテムがずらりと並んでいました。
真鍮の板や棒を切ったり、叩いたり、ロウ付けしたりして作るアクセサリーは、3つのシリーズを展開。渋い金色を帯び、色の経年変化が楽しめる「BRASS〈真鍮〉」。
真鍮に白い漆系の合成樹脂塗料をかけた「WHITE〈白漆〉」は、使ううちに酸化し、金属部分と白い部分のコントラストが強くなってきて、アンティークのような風合いに育つのだそう。
さらに、今年は新作の「PATINA〈緑青〉」もお目見え。緑青(ろくしょう)とは、銅が酸化することでうまれる錆(さび)のこと。トルコブル―とグリーンを混ぜたような、鮮やかでありながら深みのある色合いです。「自然の錆がこんなにも美しいということをストレートに伝えたくて、作り始めました」と小原さん。
ピアスやネックレスに連なっているのは、小さくて不思議なカタチのパーツ。よく見ると、左右で違うデザインのピアスも。何かの部品? 日本の古い道具? それとも旅先で出合った遺跡か装身具‥? パーツは何をモチーフにしているのでしょうか。「手を動かしながら、そのときの感覚で形を作っています。想像を膨らませつつ、身に付けてもらえたらと思っています。パーツを取り外せるようにと考えたのが、金具が丸いフープ型のピアス。パーツにひもに通せば、ネックレスにもなりますよ。タッセルの形のものなら、ポーチのファスナ―に付けてもかわいいです」とにっこり。
神奈川県・茅ヶ崎市にある工房の雰囲気が分かる展示もありました。「工房にいらした方が、彫金机の上にあふれた作りかけのパーツを興味深く見て下さることが多いんです。この機会に、普段の制作の様子が少しでも伝わればと思い、一部を再現しました」
ブースでは、ミニワークショップ「真鍮のブローチ作り」に参加し、トンテンカン‥と模様の刻印を楽しむお客さんの姿も。「ひらめきを大切に、その場でしか生まれないものを作ってもらえたら。無意識から生まれるカタチに私自身、ドキッとすることがあります。その感覚と、自分で作ったブローチを胸元につけて歩くうれしさを感じてもらいたいですね」。






