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【FOC文庫 開催レポート1】

2018年05月27日

「本とコーヒー」をテーマに、暮らしの中のクラフトを考えた2018年のFOC文庫。会場でのみ読める小さな本について、お問い合わせをたくさんいただきました。小冊子に掲載した内容を、開催レポートに代えてご紹介します。17組18人の作り手が考えた、コーヒーを愉しむためのクラフトについて、またそれぞれの好きな本や、どんな風にコーヒーを愉しんでいるかも教えていただきました。

<質問>
1.作品について
2.おすすめの本、好きな本、思い出の本
3.どんな時、どんな場所でコーヒーを飲んでいますか?

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片岡清英・紀子(木工)


 1.シュガーポット:「コバコ」という作品名で、3寸~9寸まで寸刻みで長さを変えてつくっています。今回のシュガーポットはいちばん小さい3寸×3寸のコバコです。中に何を入れるかは、それぞれ使う人に想像してもらうという、何のあてもないシンプルなハコというところが気に入っています。本体が日本のくるみ、フタがアメリカのくるみという色のコンビも、楽しんでもらいたいところです。

2.『百年の孤独』ガルシア・マルケス:長くて読むのに時間がかかったけど、おもしろすぎてやめられませんでした。家族代々のいろいろなドラマが長々とくり広げられるのに、最後は人も家もモノもなんにもなくなっちゃうお話。数年前おそるおそる手をつけて、どギモを抜かれ、シビれました。何があっても、まぁいいか、と思えるようになることうけあいます。
『がんばりません』佐野洋子:リキんでた若い頃読んで、すっかり佐野さんファンになったエッセイ。もう、題名のとおりです。脱力できる本がどうやら好みなようです・・・
(夫も本は読みますが今回は私・紀子のシュミで・・・)

3.夫婦共、コーヒー大好きです。毎食後いただきます。冬の飛騨は気温が低く、すぐに冷めてしまうので(部屋の中も寒いんです・・・)夫はポットもカップもミルクも念入りに温め、念入りにいれてくれ、ありがたくいただいています。朝はたっぷりのカフェオレ。夜はブラック。ちなみにお昼はネスカフェ。インスタントのお手軽さも好きです。

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安藤由紀(木工)

1.「くりこざら」:さりげない存在感だけど長く使ってもらえるような形の物を作りたいと思い、工房開設当初から作っている小皿です。可愛いと良く言って頂けるのですが、可愛いと思って作ってはいなくて、実は木の持つ表情とか彫り目とかを見てもらいたい作品です。
藍染「kasane」:藍染は染める回数、木の材質の色合いによっても、染まり具合が違います。その藍の色合いの違いを色を重ねて、布に染めていくように、ろうけつ染めの技法で染めました。桜にのる藍の色と、ウォールナットにのる藍の色の違いも経年変化と共に楽しんでもらいたいです。
「雨粒コースター」:彫りを入れた後、白塗装することにより、彫りめを際立たせで、窓ガラスに雨の粒がしたたるようなイメージで作りました。3点それぞれ表面を彫ることで、水滴のついたコップを置いても、コップとの間に隙間ができて吸い付いて落ちるのを防ぐことができます。
「お花コバチ」:手で包みこめるような形を大きさで横からみたお花のようなイメージで作った小鉢です。花びらの立ち上りを表現するように、縦彫りをしているのが特長です。小さな草花をちょこんと生けるのにも良いです。

2.『器、この、名もなきもの』 祥見知生
『うつむく青年』谷川俊太郎 
『いつか森で会う日まで』田口ランディ・山下大明 (どれも好きな本です。)

3.暮らしの中だと、製作の合間の休憩にお菓子と共に飲む。特には、山の頂上で飲む珈琲が、体に沁み込み美味しくて好きです。

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加藤かずみ(陶磁)

1.花器:小さくて花を入れなくても置いて楽しめること。ちょっとした雑草でも、活けるとかわいいです。

2.『こねこのぴっち』ハンス・フィッシャー:絵本ですが、大好きで、今も大事に持っています。

3.毎日、朝、豆をひき、ドリップして、仕事中に飲んでいます。

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谷口晃啓(陶磁)

1.アピールポイントではないですが、長く使い続けていただければ嬉しいです。

2.『白い杖の一人旅』小寺洋一:この本は、僕の尊敬する友人小寺洋一くんが書いた本です。

3.朝、仕事を始める前に淹れることが多いです。

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村山朋子(陶磁)

1.マグ:3つくらい重ねられるところ。磁器なので色やにおいなど、つきにくいこと。

2.ディケンズや司馬遼太郎。とにかく長い話が好きです。

3.毎朝、朝食後にコーヒーを飲んで、ホッと一息いれます。

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北岡幸士(陶磁)

1.マグ:釉薬の色、質感と模様の表情

2.レイモンド・カーヴァーの本どれでも

3.朝、仕事の前と午後3時ぐらいに必ず飲みます。

 

 

それぞれの作り手の想いのこもった器で、来場者のみなさんに愉しんでいただいたのは、
2種類のFOCオリジナルコーヒー。どんなお味がしましたか?
コーヒーを焙煎してくださった、山の上のロースタリ・木下尚之さんは、
2日間、おいしいコーヒーを淹れ続けてくださいました。
コーヒーを通じて、クラフト作品の良さを肌で感じられる企画になりました。

2018年のFOC文庫について、ご報告はまだまだ続きます。

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