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開催レポート ワークショップ

2018年05月23日

開催レポート、本日はワークショップ編です。
青々とした木々と芝生の緑がこの時期1番美しい芝生広場に広がる12のワークショップ。
晴天と降雨という2日間の両極端な天候の中でも、ワークショップも小さなお子さんから大人の方まで大勢の方で終日賑わいました。

毎年8台もの糸のこを持ち込み、小さいお子さんにもチャレンジさせてくれる組み木の小黒三郎さんのブース。
大勢のベテランサポーターさんのお力も借り、危ないから使わないのではなく、きちんと正しく機械を使うことをつくりながら教えてもらえるワークショップです。
様々な年代の方が小黒さんのブースに集まって、楽しさを共有する。
子どもにとっても大人にとってもいい時間が流れている、そんな小黒さんのブースです。

粘土をこねてMYうつわをつくる陶芸の山本薫さんのワークショップ。
例年は白い釉薬をかけた器づくりでしたが、今年は「飴色」の器をつくろう!という試みでした。
この日は雨模様。カッパを着ての作業のお子さんも多くみられ、その分汚れも気にせず存分につくることができたと思います。
自分で作ったMYうつわで食事をする楽しみは焼き上がりの2カ月後から。

山本薫さんはフィールドオブクラフトが終わっても乾燥、釉薬掛け、焼く、という作業を続けられます。
100近くある作品を全ての方のお手元に間違いなく後日お届する、その緊張感を山本さんは持ち続けてらっしゃると思うと、我々スタッフも毎回頭が下がる思いなのです。

金工の村上愛さんのアクセサリー作りのワークショップブースは、大人の女性の参加がより多いブースでした。
金槌で打った模様や、タガネという道具で打った模様を組み合わせて、つくる方の感性で無限に広がるデザインのアクセサリーが出来上がります。
「打つ」ことに集中する非日常。
そして翌日からの日常生活でそのアクセサリーを身に着ける楽しみ。両方を楽しめて、大人の女性のおしゃれの幅を広げるワークショップとなりました。

松島洋一さんの動くおもちゃをつくるワークショップは、作ったその場ですぐ遊んでみたくなる木工のおもちゃづくりです。

2日目の雨の中、松島洋一さんのワークショップに参加した小学1年生の男の子のご家族にお話しを聞いてみました。
「前日から家族でフィールドオブクラフトのHPを見て、どんなワークショップがあるかを見て調べました。このおもちゃ作りのワークショップがしたいと雨でも張り切って来ました。」
親御さんがHPできっかけ作りをして、子どもさんへのものづくりへの第一歩を開いて下さったのだと思うととてもうれしいお話でした。

小学1年生くらいの年代だとはさみやのりといった道具を使ったことはあっても、ドライバーを使うのは初めての経験だったそうです。けれど、「かっこよくできた!」とはにかんだ笑顔で感想を教えてくれました。
つくって使う、をこれからも楽しんでもらえたらこんなにうれしいことはありません。

革のおざきゆみさんのブースでは革を扱います。
子どもにとって革は普段はあまり縁のない素材かもしれませんが、だからこそ大人っぽくてかっこいいという素材かもしれません。
少し大人の領域に踏み込んだ気分も味わえて、かっこいいキーホルダーやストラップをつくる。
そして毎日持ち歩くことで革が経年変化を肌で感じることで革って面白いなあと思ってくれたら、益々この素材を身近に感じてくれることでしょう。

眞鍋芳生さんの絵付け体験のワークショップ。

眞鍋さんは張り子面を後世に伝えるべく、ワークショップにも力を入れている作家さんでもあります。
数多くのワークショップを経験している眞鍋さんが「今年は子ども達に傾向があるよー。今年は子どもたちが自分のファッションに合わせて色を使ってるよ!びっくりした!」と。
この写真の女の子もシャツの色合いとお面の色がリンクしているようです!
出来上がったお面を頭にちょこんと付けてる子ども達は、皆さんとっても可愛らしくお似合いでした。

染色・型染の北野静樹さんのブースでは、天井から風に吹かれて揺れるTシャツが目印のブース。
お目当てに来て下さった方にも、すぐにここだ!とわかってもらえます。

何年も連続で出展下さる作家さんには、毎年訪れてくれる小さなお子さんたちがそれぞれいたりまします。
北野さんのブースにも何年も「前年度作ったTシャツ」を着て、来て下さるファンがいてくれます。
今年もお見掛けしたので、お声をかけさせてもらいました。
毎年、「去年より大きくなったねー。」が枕詞のように成長して、合わせて作るTシャツも大きくなっていきます。
北野さんも毎年来てくれる子どもたちのことは覚えていて下さるので、1年に1度の同窓会のように楽しそうな雰囲気です。

織りの山本祐子さんのブースでは今年は大物のチェアマットに挑戦。
この青空の下のワークショップでこんなに大作が作ることができるとは!と喜んで下さった方が多く、皆さん真剣にそして楽しんで作っていました。

大掛かりな機織り機がないと織りはできないというイメージを一新して、持ち運びのできる簡易機織り機での入門編のように織りを楽しんでもらえました。
この日に作ったチェアマットはご家庭の椅子や仕事場の椅子の上で活躍間違いなし!そして自分でつくったのよー、えー、すごい!の会話が聞こえてきそうです。


ガラスアクセサリーのオカベマキコさんのブースは、晴天の1日目は太陽の光がガラスに反射し、ブース内全体が美しい色合いに包まれていました。
そして2日目の雨。今度はこのガラス自体の色合いが曇り空の空気を明るい雰囲気に変えてくれました。
何百とオカベさんが用意してくれたガラスパーツをまずどれを使おうかと悩み、そしてどう組み合わせて作るかを悩む、この2つの楽しい悩みこそがオカベさんのワークショップの特徴です。
出来上がりの美しさは言うまでもなく、毎日眺められる場所に置きたくなるガラスたちでした。


植物の高橋純子さんのブースには、オープン前にお邪魔してきました。
お手伝いをして下さるサポーターさんに作家さんがレクチャーしている場面でした。お客さんに教えるにはまず自分たちがやってみないと!
これは大勢のサポーターさんにお手伝い頂くフィールドオブクラフトならではの光景です。
髙橋さんはドライフラワーを使ったポストカードをつくります。
髙橋さんのレクチャーを聞いていると、「お花が主役と思いがちだけれど、葉っぱも茎も大切。カードの中に配置する際に1つくらい葉っぱや茎を入れると自然に見えるんですよ。そして余白も大事」

ついついあれもこれもと主役級のお花を並べたくなりますが、なるほど~と皆さん口を揃えて作家さんの目線に感心していました。
こうしてレクチャーを受けて、自分で作ってみるからこそ多くのお客さんのサポートも自信を持ってできることになりますね。

千葉より来て下さったルリユール(製本)の宮田明子さんと内田由紀子さんのブースは子ども達に一番身近な素材の紙を扱います。
身近な紙、そして紙からつくられるノートがどうやってつくられているのか、と考えたことはなかったかもしれません。
普段学校で使っているノートは実はキリや糸、両面テープなどを使って自分でつくることができるし実際つくることができた!
勉強になりながら楽しい思い出となってるかな、と想像しています。


い草の須浪隆貴さんは今年は鍋敷きをつくるワークショップです。
昔倉敷はい草の一大産地でした。それ自体忘れ去られてしまわないように、と須浪さんはワークショップを続けています。
大勢の方が一斉に鍋敷きづくりをしている光景は、今も倉敷がい草の一大産地であるかのような錯覚に陥りそうなほど熱気が溢れていました。
倉敷にはまだい草の文化がちゃんと残っているんだと知ることができた気がします。
土鍋の出番が多くなる冬までは鍋敷きを飾って、使うまでも存分に楽しんで下さいね。

ご参加の皆さん、サポーターの皆さん、作家の皆さんが一同に楽しめるワークショップ。
来年も皆さんと一緒に楽しんでいけたらとスタッフ一同思っています。

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