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記念冊子「変わるもの 変わらないもの」

2022年05月4日

2020年のフィールドオブクラフト倉敷 で配布する予定だった、15回記念の冊子「変わるもの 変わらないもの」。この冊子が完成した直後、外出を控えて暮らす日々を余儀無くされ、2年に渡り配布することができませんでした。

暮らし方がガラリと変わってしまった世界でふと思うのです。
「変わるもの」とは、「変わらないもの」とはなんだろう。

人と会うことを極限まで減らして暮らした日々の中、人の手でつくられた器や道具や装飾品が持つ優しい手触りや存在感は、心細く頼りない気持ちをそっとなだめ、温もりを感じさせてくれるものでした。
使う人のことを思いながらひとつひとつ作られたものの背景にハッと気づき、小さな感動が満ちることもあります。
使うことによって表情が変化する素材は作り手からバトンを受けていることを実感させてくれます。
己の手の中で少しづつ古色を纏って変わっていくものに、私たちは確かに愛着を覚えるのです。

「ものを通して作り手の気配を感じられる。だからこのひとつが愛おしい」

冊子の序文の一行にそう記した言葉から、変わってゆく世界に、不自由な日常に、向き合い過ごす今、この冊子を通じて私たちが伝えたかったことは驚くほど変わらないのだと改めて気づかされます。むしろこんな時代だからこそ、より強く手仕事がもたらしてくれる安らぎや豊かさを、一人でも多くの人に感じてもらえたらと願うのです。

私たちが信頼を寄せる手仕事の力で、暮らしの中にささやかな楽しみの種を蒔きたい。
この変わらない思いを託した冊子を、今年こそ会場で皆様にお届けしたいと思います。
配布ブースでは、フィールドオブクラフト 倉敷で購入された人の元で長らく使われたものたちの表情を、実際に見ていただけます。ご来場の際にはぜひお立ち寄りください。

無償配布・各日1000部限定

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