【開催レポート1】作家ブース・子どもに人気編
2017年05月20日
12回目となるフィールドオブクラフト倉敷2017が無事終了いたしました。今年も多くの方にご来場いただきました。ありがとうございました。あの二日間の心地よい空間を少しだけ一緒に振り返る開催レポートを連載いたします。
撮影:一幡公平、田口律子(撮影専門サポーター)、フィールドオブクラフト実行委員会
まずは作家ブースの様子から。
今年は75組の作家さんたちに出展いただきました。フィールドオブクラフト倉敷では作品の展示だけではなく、素材や手工具に直接ふれることができたり、実演やワークショップを積極的に組み入れるなど、生み出されたものの背景を使い手に伝える取り組みを毎年、作り手のみなさんに提案してもらっています。
今年も多くの作り手の方々が思い思いの発想で、手仕事の息吹を会場に運んで来てくださっていました。その一端をご紹介します。
まず、いつ行っても子ども達でにぎわっていたのが、木のおもちゃを制作している多曽田育男さん(木工)のブース。
おもちゃの端材で自由工作のコーナーですが、切れ端といってもこんなに可愛いいパーツばかりなんですよ。子どもたちの創作意欲を掻き立ててたみたいでした。
同じく木工の片岡清英・紀子さんのワークショップは、色の違う木をはめ込む「象嵌(ぞうがん)」と表面をワイヤーブラシでこする「浮造り(うづくり)」を体験できる菓子皿作り。浮造りは木の柔らかい部分をそぎ落とすことで、菓子切りを使っても傷つかない昔からの技法だそうです。
こちらが出来上がりの菓子皿。木の質感や木目の美しさが分かります。
落合芝地さん(木工)の角盆に掘り目をいれる体験。「大きな彫刻刀じゃなあ〜」と道具にびっくりした様子。
こちらが落合さんの角盆。美しく仕上げるには技術が必要だと実感できたことでしょう。
続いて市川孝さん(陶磁)の蹴りろくろ体験。魔法のようにスルスルと形ができていく姿に目が釘付けの子どもたちです。
土を触るって子どもたちにとっては本能的な喜びなんでしょうね。他のブースでも夢中な子どもたちを見かけましたよ。
例えば、田屋道子さん(陶磁)のバッジ作り。
作り手の田屋さんにアドバイスをもらいながら、夢中で模様を彫っていた女の子です。
こちらは練りこみ技法を愛する田鶴濱優香さん(陶磁)のブース。朝からずーっと田鶴濱さんの練りこみの粘土で型抜きをしたり、成型をしたりで、ブースを離れませんでした。ついには靴まで投げ出して座り込んでもまだ触っていました。
ちなみに田鶴濱さんの練りこみの器はこんな器です↑
同じく陶磁の北岡幸士さんは、魚の置物を作るミニワークショップを開催。 出来上がった子どもたちの作品がこちら。あの平べったいのはヒラメですかねえ。
吉田崇昭さん(陶磁)のミニワークショップは陶器製すりおろし器作り。制作の過程で出てくる小さな石を並べて、すりおろす突起にするのですが、この延々と無心に並べる作業がまたまた子どもを夢中にさせたようです。(写真手前が器の見本です。分かります?)
森永淳俊さん(陶磁)は作品の器を利用してのワークショップ「ミニ盆栽作り」。兄弟で制作していたけど、母の日のプレゼントかしら。
ちょっと変わった体験ものを用意してくださったのは、中村崇心さん(陶磁)。なんと「釉薬の調合体験」!てんびん秤で本物の釉薬を測り、乳鉢ですり合わせます。ミニ科学教室みたいで、子供たちは興味津々な様子。中村さん、なかなか子ども心をわかってますね〜。
その中村さんの鮮やかな釉薬の作品はこちら。
こんな小さな子でも楽しんでいたのは、紙の石井希さんとガラスの花岡央さんのコラボの風鈴作り。眼差しは真剣そのもの。
三浦奈巳さん(染織)のミニワークショップは、織り機を使わない方法で織る額絵。親子で取り組んでいました。
こちらは手紡ぎ手織りの山野内玲子さんの糸紡ぎ実演風景。糸車が回る様子はいつも子どもたちに人気です。「お母さん、ふわふわだよ〜」。素材から優しさが伝わる瞬間です。